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1000字中の備忘録

最近のニュースからお気に入りまで、色々と文字に起こしていくブログ

任天堂“驚き”を生む方程式

電子書籍

最近読み終えた本について色々語っていくシリーズ。今回紹介するのは『任天堂“驚き”を生む方程式』(著:井上 理、2009年5月11日発行)。

 

booklive.jp

 

任天堂だけが持つ独自の哲学とは。その源流とは―。娯楽に徹せよ。独創的であれ。なぜ世界中が夢中になるのか?快進撃の秘密を解き明かす。

 以上、booklive!の作品内容より引用

 

 

トランプや花札の製造業から始まり、現在では『ファミリーコンピュータ』、『ニンテンドーDS』と『Wii』といったゲーム産業を席巻している任天堂。これらを生み出されたエピソードから、創業から今まで任天堂が大切にしてきたことなどが語られている。
まずは『ニンテンドーDS』と『Wii』の快進撃をもとに、社長としては外様であった岩田氏がどのようにして信頼を勝ち取り、社内でどのような改革を進めたのか。そしてどのようにしてDSやWiiなどの人気を爆発させるソフト群を生み出したのか……などが書かれている。
 
今の任天堂があるのは何も岩田氏だけの功績ではない。「マリオ」を始めとした数々のゲームを手掛けた宮本茂氏、「玩具」を通して任天堂のDNAを生み出した横井軍平氏、「任天堂」の方針を決定づけた山内溥氏、彼らは今の任天堂を知るうえで欠かせない人材である。
 
宮本氏はアーケードゲーム開発を機にその才能を開花させ、現在でも有名なゲームを多数手がけているゲームクリエイターである。宮本氏と岩田氏が任天堂社内で実施した出来事を通して、数々の人気ソフトが開発されるきっかけを作った。その中には社内で話題となる「ちゃぶ台がえし」を始めとした、宮本氏がゲームを作るうえで大事にしていることが何なのかを窺い知ることができる。
大事なのは一つのテーマを考え続けること。そのテーマを温め続けることでチャンスをつかみ取るのである。
 
横井氏は『ウルトラハンド』を始めとした玩具を生み出してヒット作を生み出した玩具メーカー時代における発明家である。玩具づくりを通して任天堂のDNAを生み出し、ゲーム&ウォッチを開発してゲーム産業における礎となった。
彼は最新鋭の技術を使いこなすのではなく、技術としては十分に浸透したものを活用するという「枯れた技術の水平思考」という考え方を持ってモノづくりに挑んでいた。これこそが、岩田氏や宮本氏が受け継ぎ、時代に伝えんとする「任天堂のDNA」なのである。
 
山内溥氏は岩田氏が任天堂の社長になる前の社長。社長就任当時は花札屋だった任天堂を、現在のゲーム会社にした張本人である。同時に、宮本氏や横井氏を任天堂に引き入れ、岩田氏に社長の座を彼に明け渡した人物でもある。表舞台で語られることは少ないが、彼こそが任天堂の「黒幕」と言っても過言ではないだろう。
 
ゲームは必ずしも必需品とはならない。娯楽の世界に身を置いていたからこそ作り上げられた「ソフト体質」に基づいて、任天堂はモノづくりを行っているのだ。だからこそ、任天堂が作る製品はいつだって独創的な製品を世に送り出すことができた。これからも任天堂は娯楽に徹したモノづくりを続けていくだろう。それは、例え任天堂のハード作りから離れたとしても変わらないのだ。
 
現在、任天堂スマホゲーム市場や映像事業などの「任天堂が生み出したキャラクター」を別方面に活かす新事業にも手を付けている。舞台は大きく変われども「枯れた技術の水平思考」から生み出される驚きのアイデアと、娯楽に徹した「ソフト体質」をこれからも大切にしていってほしいものである。