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1000字中の備忘録

最近のニュースからお気に入りまで、色々と文字に起こしていくブログ

魔城福祉施設

時事ネタ・思いつき
大量殺人事件というと、人は一体何人殺したとイメージするのだろうか?3人も殺していれば十分大量殺人と言っていいような気もするし、もしかしたら100人規模を想定する人もいるかもしれない。
日本で起きた大量殺人事件として、代表的なものとして以下の3つの事件が挙げられる。他にも松本サリン事件や地下鉄サリン事件、そして大阪のビデオ支店を放火した事件が大量殺人事件にカテゴライズされているが、今回は割愛させていただく。

3つ目の相模原障害者施設殺傷事件は、つい最近の2016年7月26日火曜日に起きた最近の出来事である。

 

 2016年(平成28年)7月26日午前2時38分、相模原市緑区千木良にある障害者施設から警察と同市消防局にそれぞれ、「刃物を持った男が暴れている」との通報があった。事件に気づいた施設の当直職員が、非番の男性職員にLINEを使って連絡を取り、電話で確認の上警察に通報した。現場に駆け付けた医師が19人の死亡を確認し、重傷の20人を含む負傷者26人が6か所の医療機関に搬送された。

死亡したのは、いずれも同施設の入所者の男性9人、女性10人で、年齢は19歳から70歳。また、負傷したのは、施設職員男女各1人を含む男性21人、女性5人だった(なお、被害者の名前について神奈川県警察は同26日、「施設にはさまざまな障害を抱えた方が入所しており、被害者の家族が公表しないでほしいとの思いを持っている」として、公表しない方針を明らかにしている)。

午前3時過ぎ、神奈川県警津久井警察署に、男が「私がやりました」と出頭し、午前4時半前に、殺人未遂と建造物侵入の容疑で緊急逮捕された。被疑者は午前2時頃に、ハンマーで入居者居住棟1階の窓ガラスを割って、そこから施設内に侵入したとみられる。同警察署の捜査本部は翌27日、殺人未遂の容疑を殺人に切り替えて、被疑者を横浜地方検察庁に送検した。

第二次世界大戦後の日本において発生した殺人事件としては、犠牲者19人は最も多いとみられる。事件で負傷して意識不明となった4人が入院している病院は、27日の記者会見で4人全員の意識が回復したと発表した。そのうちの20代の男性は首を深く刺されたため、全血液量の2/3を失い、搬送直後には脈をとれないほどの危険な状態だった。男性は人工呼吸器を外されると、看護師に何度も「助けて」と繰り返し、犯人が逮捕されたことを知ると「生き返った」と答えた。

 以上、wikipediaより引用

相模原障害者施設殺傷事件 - Wikipedia

 
19人死亡というのは戦後最悪の人数だそうだ。今回狙われたのが福祉施設にてお世話になっている障害者を中心的に狙った犯罪である点も、被害を大きくしたきっかけと言える。
それにしても1時間足らずの時間で40人強の人間に危害を加えられるものなのかと最初聞いた時は耳を疑ったものだ。他の職員を拘束する時間や移動する時間などを考えると、1人あたり30秒にも満たない時間で犯行を行っているという話になる。人間その気になればそんな短時間で大量の人に危害を加えられるのかと事件を初めて聞いた時は戦慄したものである。ついでに言えば「1時間近くも妨害らしい妨害を受けずに犯行を行った」という事実も見逃せない。
 
なぜこういった結果になったのか。今までの大量殺人事件と比較するといくつかの類似点と相違点が見受けられる。そこに、今後の大量殺人事件を防ぐ手立てがあるかもしれない。
これまでの大量殺人事件と比較して、2つの共通した特徴が挙げられる。
  • 弱者を狙った犯行であること
  • 人が集まっている場所を狙ったこと
大量殺人事件は総じて弱者を狙い、そして弱者が多い場所で行われる。誰も人通りが少ない場所でヤバい奴に喧嘩を売る人はいないように、犯罪者だって人を選んで犯行に及んでいるのである。狂人のように描かれる大量殺人犯だが、一応は最低限の判断基準を持っているのだ。その判断基準はお世辞にも褒められたものではないが。
上述した3つの大量殺人事件に限っては、単独犯かつ刃物などで直接危害を加えたという共通点がある。自分が行っていることを自覚しながら凶行に走る様が、メディアや一般人から見れば尚更不気味に見えるだろう。
 
今回起きた事件では更に特筆すべき点が2つある。
  • 深夜に行われた凶行である点
  • 逮捕ではなく自首した点
まずは人通りが少ない深夜に行われた大量殺人であるという点。大量殺人事件と言うと人が多い場所、もっと言えば社会的弱者が多い場所でなければならない。大量殺人事件というのは基本的には日中でなければ起こせない殺人事件なのだ。それを今回大きく覆すことになった。
また、大量殺人事件が起きれば当然周りの人が通報し、警察が駆けつけて逮捕に至るのだが、今回は犯人の自主という結末をむかえている。つまり、今回は加害者がその気になれば逃げることも、もっと罪を重ねることも、自害することも可能だったということである。
当人が自首したため今回はこの結果となったが、加害者がもっと本気だったら負傷者、死亡者共に更に上回っていたかもしれない。
 
これまでも福祉施設を舞台とした事件は何度も起きているが、今回の事件を機に福祉施設で発生する事件が大規模化するかもしれない。一般的な福祉施設は、これを機に警備体制の強化を行っていく必要が迫られるだろう。それだけの体制を整えられるかは、現時点での福祉施設の労働環境や警備会社に対するアプローチが関わってくる。
 
ただ、「これから本当に福祉施設の警備が強化されるのか?そしてそれだけで改善されるのか?」という疑問が残る。
福祉施設の中には、学校のような設備はおろか、民家を改造したような施設だって存在している。「警備体制を整える」にしても施設そのものが「守ること」に向いていない場所をどう守れと言うのか。
福祉施設の在り方は場所によって様々であり、一日中施設内で世話をしているケースもあれば、日中だけ施設でお世話になっているケースもある。今回のような大規模な施設であれば「警備態勢を整える」の一言で片づけることも可能だが、そもそも警備体制を整えようがない施設だってある。
「障害者との壁を感じないように」と言えば聞こえは良いが、それで守ることができなければ本末転倒である。
また、施設そのものがそういった方針転換に適応できるかは非常に怪しいところである。障害者の中には説明してもわからない(理解することができない)人だっている。そういった人への対応は非常に難しい。これらの問題点をクリアしていかないと、今後の福祉施設の運営は厳しいものとなるだろう。福祉施設の改善は早急に求められる一方で、その全容を把握して有効な一手を出せる人は思っている以上に少ないかもしれない。
 
大量殺人事件が起きたとき、関連する施設は慎重な対応が迫られる。付属池田小事件を契機に学校が変わり、秋葉原通り魔事件を契機に歩行者天国が変わった。今回の大量殺人事件が福祉施設がもたらすモノを、我々は見極めて、それを知らなくてはならない。